青磁と釉裏紅

沢山の青磁の素晴らしい作品が世の中にありますが、私は土の影響が釉に現れている、深い色の青磁が好きです。この青磁ができたのは偶然から生まれました。

土は、市販の赤土はほとんど耐火度が低いため、白い粘土が多く含まれています。

自分で土を合わせ作っているときに、和歌山の赤土に、ガイロメ粘土、大道土など色々な土をあわせ土の強度を探します。

耐火度強く、焼きあがった時の土の質感など青磁に合う土を作っています。

偶然、青磁に釉薬をテスト用に作っていた時に、長石が足りなくなり、穴窯で使うつもりだった、

スタンパー(土や石を砕く機械)で砕いた、滋賀県石山の平津長石を混ぜました。

市販の長石はミルで砕いたモノで、しっとりした感触です。

スタンパーで砕いた長石は、ザラザラした重い感じです。


混ぜて 溶けたら同じと考えました。

細かな粒子の世界では、もっと違うことが起きていたみたいです。

その時、偶然にこの青磁ができました。

初めて深い海から現れたような釉薬を見ることができました。

スタンパーで砕いた長石は、粒子の世界ではたぶん不均等な形をした粒子の塊で、溶ける部分と、

ない部分があり、マットな質感が現れたのだと思います。

釉裏紅と辰砂の違いは、ガラス成分になる素材が入っているかどうかです。

釉裏紅は 顔料なので、細い筆で1ミリくらいの線でも素焼きの生地に描けます。

釉裏紅は 、釉に溶け込みながら紅色に発色します。

この顔料との出会いも、1250度の窯で顔料を一度焼き固め、また砕き粉にしておきました。

顔料を使いこなせず、20年たち風化していました。

水に薄め、軽い気持ちで青磁の下に絵を描きました。

すべてが偶然が重なり、今の青磁に出会いました。

自分で確認できるまで何度もテストを繰り返して現在の形となりました。

青磁は 時間と共に変化が現れる釉薬ですが、そこが綺麗な世界です。

是非、子ども達にも知ってもらいたいと思います。

小さい時に感じている感覚は、大人になっても確かなものです。

言葉では説明できない、美しい世界を知っていてもらいたいと思います。